ITILとは?わかりやすく解説

マネジメント系 ・ サービスマネジメント ・ 読む目安12分

ITサービス管理のよい進め方をまとめた考え方を学びます。

最初に考えてみよう

問い合わせ対応や障害対応を担当者の経験だけに任せると、対応の速さや品質にばらつきが出ます。どうすれば、ITサービスを安定して運用するための考え方を共有できるのでしょうか?

解説

1ITILは、ITサービスを守って良くし続ける「やり方集」

ひとことで社員やお客さんが使うITサービスを、止まらないように守り、良くし続ける活動をITサービスマネジメントといいます。人・手順・技術を組み合わせて、続けて改善します。 そのうまいやり方(ベストプラクティス)をまとめたものがITILです。

  1. 1窓口で受ける(サービスデスク)
  2. 2止まったら、まず戻す(インシデント管理)
  3. 3原因を断つ(問題管理)
  4. 4安全に変えて記録する(変更管理・リリース及び展開管理・構成管理)
  5. 5約束を守り、窓口を良くする(SLA・KPI)
お話で見る社内IT部のサービスデスクに配属された新人・森さんの1週間で、この順番を追いかけます。 火曜に起きた1つの障害が、金曜まで続いていきます。
森さん
サービスデスクの新人
高木さん
運用10年目の先輩
  1. 月
    窓口
  2. 火
    障害
  3. 水
    対策
  4. 木
    約束
  5. 金
    改善
  • 月曜 サービスデスクに立つ
  • 火曜 共有ディスクが満杯に
  • 水曜 対策を本番に入れる
  • 木曜 SLAの約束を見直す
  • 金曜 窓口を良くする

2月曜:サービスデスクに立つ

  1. 月
    窓口
  2. 火
    障害
  3. 水
    対策
  4. 木
    約束
  5. 金
    改善
  1. 月曜 9:00
    高木さん(先輩)

    ここがサービスデスク。システムが動き出したあと、社員からの問い合わせを受ける窓口だよ。

1 / 6

3火曜:共有ディスクが満杯に

  1. 月
    窓口
  2. 火
    障害
  3. 水
    対策
  4. 木
    約束
  5. 金
    改善
共有ディスクの使用量100%(満杯)
  1. 火曜 10:00
    社員(利用者)

    共有フォルダに保存できません! 午後の会議の資料なのに…

1 / 7

4水曜:対策を本番に入れる

  1. 月
    窓口
  2. 火
    障害
  3. 水
    対策
  4. 木
    約束
  5. 金
    改善
共有ディスクの使用量88%
  1. 水曜 9:00

    昨日の問題管理で決めた対策は2つ。ディスクを増やすことと、使用量を見張るツールを入れることです。

1 / 5

5木曜:SLAの約束を見直す

  1. 月
    窓口
  2. 火
    障害
  3. 水
    対策
  4. 木
    約束
  5. 金
    改善
  1. 木曜 10:00

    火曜の件を受けて、社内の利用部門とSLA(サービスの品質の約束)を見直す会議です。

1 / 5

6金曜:窓口を良くする

  1. 月
    窓口
  2. 火
    障害
  3. 水
    対策
  4. 木
    約束
  5. 金
    改善
  1. 金曜 9:00
    森さん

    火曜は同じ問い合わせが何十件も来て、電話がつながりにくくなりました。

1 / 5

7金曜の午後:窓口の成績表(KPI)

  1. 月
    窓口
  2. 火
    障害
  3. 水
    対策
  4. 木
    約束
  5. 金
    改善
  1. 金曜 14:00
    高木さん(先輩)

    窓口が良くなったかは、数字で確かめる。その成績表の数字がKPIだよ。

    用語KPI(重要業績評価指標)

    目標にどこまで近づいたかを測る数字。サービスデスクでは、待ち時間や解決できた割合などを使う。

1 / 6

8金曜の夕方:効果を数字で確かめる

  1. 月
    窓口
  2. 火
    障害
  3. 水
    対策
  4. 木
    約束
  5. 金
    改善

メールの問い合わせを担当者に割り当てる作業に、自動割当てツールを入れて半年。 割当ての時間は、何%減ったでしょう?

導入前1日500件 × 1件3分
導入後自動で割当て(80%):400件 × 0分
導入後うち割当てミスの手直し(10%):40件 × 5分
導入後自動でできず人が割当て(20%):100件 × 3分

選んでから、解き方を見てみよう。

91週間のふりかえり:出来事と管理の名前

  • 月稼働後の問い合わせを1つの窓口で受けるサービスデスク
  • 火使っていないファイルを移して、まず保存できるように戻すインシデント管理
  • 火なぜ満杯になったのか、根本原因を突き止める問題管理
  • 火使用量の兆しを早く知らせる仕組みにするサービスマネジメントシステムの改善
  • 水影響を確かめて、変更を承認する変更管理
  • 水承認された変更を本番に入れるリリース及び展開管理
  • 水台帳を直し、IT資産の情報を最新にする構成管理
  • 木動いている時間/容量/不正アクセスの約束可用性・容量・能力・情報セキュリティ管理
  • 金FAQ・チャットボット・待ち時間などのKPIサービスデスクの改善

どの管理?(森さんの1週間を思い出して)

  • メールサーバが止まった。予備のサーバに切り替えて、急いで使えるようにする

  • 同じ障害がくり返さないよう、根本の原因を調べて解決策を出す

  • サーバの設定を変える前に、影響とリスクを評価して承認する

  • 承認された修正プログラムを、本番の環境に入れる

  • 会社が持つPCやソフトウェアの情報を、最新で正確な状態に保つ

  • ディスクの使用量を見張り、足りなくなる前に増やす計画を立てる

試験のポイント

ITパスポート試験での問われ方

サービスデスクの役割・KPIの向き・FAQやチャットボットの効果と、各管理プロセスの見分けが問われる

間違えやすいポイント

  • ITILをプログラミング言語だと思う
  • 監査そのものと混同する

関連用語

ITIL、サービスデスク、インシデント管理、問題管理、変更管理、リリース及び展開管理、構成管理、容量・能力管理

図解の内容を文章で読む

ITILをイメージでつかむ

ITILは、ITサービスマネジメントのベストプラクティスをまとめた知識体系です。障害対応、変更管理、サービス改善など、ITサービスを安定して良くしていくための考え方が整理されています。

たとえると:部活運営のうまいやり方集のように、困ったときの対応や改善の進め方がまとまっています。

ITILは、ITサービスを止まらないように守り、良くし続ける活動(ITサービスマネジメント)のうまいやり方を集めた「ベストプラクティス集」です。プログラミング言語や製品の名前ではありません。利用者の問い合わせは、システムの稼働後に置くサービスデスクがまとめて受け、内容・回答・かかった時間を記録して改善に使います。障害が起きたら、まず業務を戻すのがインシデント管理、なぜ起きたのか根本原因を突き止めて再発を防ぐのが問題管理です。対策を本番に入れるときは、影響を評価して承認する変更管理、承認された変更を実際に入れるリリース及び展開管理、IT資産の情報を最新に保つ構成管理の順に進みます。SLAの項目ごとに、稼働時間はサービス可用性管理、容量のしきい値は容量・能力管理、不正アクセスは情報セキュリティ管理が受け持ちます。サービスデスクの改善では、FAQで一次回答率が上がり、チャットボットで受付時間を広げられます。KPIは、待ち時間やエスカレーションした割合は小さいほど良く、1回で解決できた割合は大きいほど良い数字です。

押さえどころ

  • ITIL = ITサービス管理のベストプラクティス
  • サービスデスク = 稼働後の問い合わせの窓口
  • まず戻す=インシデント管理/原因を断つ=問題管理
  • 変更管理 → リリース及び展開管理 → 構成管理

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