AIと機械学習とは?わかりやすく解説

テクノロジ系 ・ 技術要素(AI) ・ 読む目安7分 ・ 頻出

人のように判断する技術と、データからパターンを学ぶ方法を学びます。

最初に考えてみよう

AIは文章を書いたり、画像を作ったり、迷惑メールを判定したりできます。では、人間がすべてのルールを教えていないのに、どうやって判断できるようになるのでしょうか?

解説

まずAIの用語の全体地図を見て、次に機械学習の3つの学び方を1つずつ見ていきます。

1AIの用語は、この1枚に全部入る

外側ほど広い言葉、内側ほど新しく具体的な言葉です。まずどの枠に入るかを覚えます。

AI(人工知能)人の知的な判断をコンピュータで行う技術の総称
ルールベース・エキスパートシステム … 人が書いたルールや専門家の知識どおりに判断する。学習はしない
機械学習データからパターンを学ぶ
教師あり学習 … 正解付きデータで学ぶ(分類・回帰)
教師なし学習 … 正解なしで仲間分け(クラスタリング)
強化学習 … 試行錯誤し、報酬が増える行動を学ぶ
ディープラーニング(深層学習)多層のニューラルネットワーク。特徴も自分で見つける
生成AI学んだモデルで文章・画像を新しく作る
AI ⊃ 機械学習 ⊃ ディープラーニング。いまの生成AIの多くはディープラーニングで作られている。ルールどおりに動くだけのAIは機械学習の外

2機械学習の3分類を1ページで

3つの違いは、学ぶときに何を渡すかだけです。

教師あり学習
渡す:データ + 正解
できる:
分類・回帰(正解を当てる)
例:
迷惑メールの判定、売上の予測
教師なし学習
渡す:データだけ
できる:
クラスタリング(似たもの同士をまとめる)
例:
買い方が似た顧客のグループ分け
強化学習
渡す:行動した結果の報酬
できる:
報酬が増える行動を覚える
例:
ゲームAI、ロボットの制御

過去問の選択肢に当てはめると

  • 乳児の泣き声と「泣いている原因」の組を集めて、原因を推測する→ 正解付き → 教師あり
  • 送られた服の画像の特徴から、利用者の好みの傾向をつかむ→ 正解なし → 教師なし
  • 盛り付けの動作を何度も繰り返し、上手になるロボット→ 試行錯誤 → 強化学習
  • 気温や積雪から、用意したルールでゲレンデの状態を判断する→ 学んでいない → ルールベース
正解を渡す → 教師あり/データだけ → 教師なし/報酬を渡す → 強化学習

3教師あり学習:正解付きのデータで学ぶ

ひとことで「答え付きの問題集」で練習するイメージ。問題と正解のセットをたくさん渡して、答え方を覚えさせます。

  1. 1人が、データに正解を付けて用意する(この作業が アノテーション)
  2. 2AIが答えを予想して、正解とくらべる
  3. 3まちがいが減るように、少しずつ直す(くり返す = 学習)
  4. 4学んだ答え方(モデル)で、新しいデータに答える

使われる場面:分類(犬か猫か・迷惑メールか)と回帰(売上や株価など、数を予測)

例で見る犬と猫の写真8枚で見てみます。AIが見るのは鼻の長さと耳のとがりだけ。答え方は、犬と猫の境目の線のどちら側か、です。

1234

犬と猫の写真が8枚

鼻の長さ →↑ 耳のとがり犬犬犬犬猫猫猫猫?
正解付きのデータで学び、新しいデータの正解を当てる = 教師あり学習

4教師なし学習:正解なしで仲間分け

ひとことで「答えのない仕分け」のイメージ。正解は教えず、AIが自分でデータの似ている・似ていないを見つけます。

  1. 1正解なしのデータを渡す
  2. 2AIが、近いもの(似たもの)同士をまとめる(クラスタリング)
  3. 3それが何のグループかは、人が見て決める

使われる場面:買い方が似た顧客のグループ分け、似た商品のまとまりを見つける など

例で見る③と同じ8枚を、今度は正解なしで渡してみます。

123

同じ8枚を、正解なしで渡す

鼻の長さ →↑ 耳のとがりグループAグループB近い遠い
③との違いは「正解を付けたか」だけ。正解なしで、似たもの同士をまとめる = 教師なし学習

5強化学習:やってみて、報酬で上達

ひとことで「できたらごほうび」をくり返して覚えるイメージ。正解は教えず、行動の結果に点数(報酬)だけ返します。

  1. 1AIが、とにかくやってみる(行動する)
  2. 2結果に応じて報酬(プラス/マイナスの点数)をもらう
  3. 3報酬が多くなるように、次の行動を変える(くり返す)

使われる場面:ゲームAI、ロボットの制御、自動運転の判断 など

例で見る迷路のロボットで見てみます。道順(正解)は教えず、1歩ごとに −1、ゴールで +20 の報酬だけ返します。

1回目:でたらめに動く

スタートゴール
報酬
0
1歩ごとに −1
ゴールで +20
  1. 1回目
    …
  2. 2回目
    …
  3. 50回目
    …
正解ではなく、報酬が増える行動を試行錯誤で覚える = 強化学習

6問題文の「言い回し → 用語」

ディープラーニングや生成AIの問題は、説明文から用語を選ぶ形がほとんどです。問題文に出る言い回しで覚えます。

入力中間層(何層も)出力予測する →← 誤差を逆向きに伝えて重みを直す
問題文にこう書いてあれば答え
脳の神経回路の仕組みをまねた計算モデルニューラルネットワーク
多層のニューラルネットワークで、特徴を自動的に抽出して学ぶディープラーニング
1つのニューロンで、入力から次へ渡す値を計算する活性化関数
出力と正解の誤差を小さくするよう、重みを調整するバックプロパゲーション
学習データに、正解の情報を付ける作業アノテーション
大量のデータで訓練され、追加学習で様々な用途に使える基盤モデル
事前に学習したデータを基に、新しいコンテンツを作る生成AI
もっともらしいが、事実と異なる内容を出力するハルシネーション
意図した回答が出るよう、指示や出力形式を工夫するプロンプトエンジニアリング
学習データの偏りで、結果が偏るバイアス
「特徴を自動で抽出」→ ディープラーニング。「もっともらしいが事実と違う」→ ハルシネーション

7確認問題:6段階で本試験レベルへ

Lv.1 教師あり1 / 6
過去の住宅の「広さ・駅からの距離」と「実際に売れた価格」の組を学習し、別の住宅の価格を予測する。この学習方法はどれか。

試験のポイント

ITパスポート試験での問われ方

AI・機械学習・生成AIなどの基本的な違いが問われる

間違えやすいポイント

  • AIは必ず正しいと思う
  • 機械学習をプログラムが不要な魔法だと思う

関連用語

AI、機械学習、教師あり学習、生成AI、データ

図解の内容を文章で読む

AIと機械学習をイメージでつかむ

AIは、人の知的な作業に近い判断や予測をコンピュータで行う技術の総称です。機械学習はAIの代表的な方法で、たくさんのデータから特徴やパターンを学びます。

たとえると:問題集をたくさん解いて傾向をつかむ学習者のように、データを見て判断のコツを覚えるイメージです。

AI(人工知能)は、判断や予測など人の知的な作業をコンピュータで行う技術の総称です。その中の代表的な実現方法が機械学習で、人がルールを1つずつ書く代わりに、大量のデータから特徴やパターンをコンピュータ自身に学ばせます。機械学習の中でも、人間の脳のしくみを参考にした多層の方法で学ぶのがディープラーニング(深層学習)、学んだ内容をもとに文章や画像を新しく作り出すのが生成AIです。つまり「AI⊃機械学習⊃深層学習・生成AI」という入れ子の関係です。学習に使うデータが偏っていれば結果も偏るため、AIの答えがつねに正しいとは限りません。試験では、用語どうしの包含関係と、教師あり・教師なし・強化学習の違いが問われます。

押さえどころ

  • AI = 知的な処理の総称
  • 機械学習 = データから学ぶ方法
  • データの質が結果に影響する

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