PMBOKの基本とは?わかりやすく解説

マネジメント系 ・ プロジェクトマネジメント ・ 読む目安8分 ・ 頻出

プロジェクト管理の知識を整理したPMBOKと、プロセス群・知識エリアの見方を学びます。

解説

PMBOKは、プロジェクト管理の知恵を2つの軸で整理したガイドです。

12つの軸で整理する

立上げ
計画
実行
監視
終結
スコープ
スケジュール
コスト
予算
品質
資源
リスク
など(全10)監視=監視コントロール

横=プロセス群:何のための活動か(5つ)

縦=知識エリア:何を管理するか

交点の例:計画 × コスト=予算を立てる

2「ライフサイクル」と「プロセス群」は別もの

立上げ→計画→実行→監視・コントロール→終結は、プロジェクト全体で一度だけ順に進む工程ではありません。 社内システム開発の例で、2つを分けて見ます。

プロジェクトのライフサイクル=時間の流れ

フェーズ(段階)は時間の順に進む

  1. 要件定義
  2. 設計
  3. 開発
  4. テスト
設計フェーズを拡大

5つのプロセス群=各フェーズの中で回す活動

設計フェーズの中だけでも、5つがそろい、計画〜監視は何度も繰り返す

  1. 立上げ設計フェーズを始めることを承認する
    1. 計画設計の範囲・担当・日程を決める
    2. 実行設計書を書く
    3. 監視・コントロールレビューで遅れや漏れを見つけ、必要なら計画を直す

    ↺ ここを何度も繰り返す

  2. 終結設計書の完成を承認し、フェーズを閉じる

同じことが要件定義・開発・テストの各フェーズでも起こります。実行と監視・コントロールは同時並行で進むのがふつうです。

✕ 誤解
プロジェクト全体で、立上げ→…→終結を1回だけ順に進む
○ 実際
フェーズごとに5つの活動があり、計画〜監視は重なり・繰り返す

3プロジェクトとは、始めるときの文書、関係者

プロジェクトは始まりと終わりがあり(有期性)、そのときだけの成果を生む(独自性)仕事。毎回同じことをくり返す定常業務とは別です。

  • プロジェクト新しい経理システム導入のためのプログラム開発
  • プロジェクト会社の合併に伴う、新しい組織への移行
  • 定常業務サービスデスクの日々の運用
  • 定常業務毎年度末に行う会計処理
プロジェクト憲章
新しいプロジェクトを正式に認可する文書
プロジェクトスコープ記述書
作る成果物と作業の範囲を書く
ステークホルダ登録簿
関係者とその影響を一覧にする
リスク登録簿
見つけたリスクと対応を一覧にする
ステークホルダ=プロジェクトに影響を与える人・受ける人の全員。A社がB社に開発を発注したなら、 A社の経営者・A社の利用部門・B社のプロジェクトマネージャ・B社を支援する協力会社も含まれます。

4スコープと、変更が出たときの流れ

スコープに入るのは?

  • スコーププロジェクトで作る成果物(とそれを作る作業)
  • 入らないプロジェクトで使う市販のスケジュール管理ツール
  • 入らない顧客が要求事項を書いた文書(もらう側の資料)

スコープ管理の失敗=作る機能の範囲を決めずに始めた/やるべき作業が計画から抜けていた。人件費の見積りが甘い(コスト)や期間が短すぎる(スケジュール)は別の分野の失敗です。

変更要求が出たら

  1. 1. 変更要求「新機能を追加したい」などの要求が出る
  2. 2. 変更管理委員会影響を審議して認可・却下する。コスト増や期日の延期を理由に却下してもよい
  3. 3. スコープ管理認可されたら WBS を変更し、コストの詳しい見積りの材料として渡す
  4. 4. ほかの管理へ新しいWBSをもとに、スケジュール・要員・コストを見直す

プロジェクトを終えるときは、統合マネジメントで知識や教訓を組織の資産として登録し、次のプロジェクトに生かします。

5手順書ではなく「知識の棚」

PMBOKは全部をそのまま実行する手順書ではありません。案件に合わせて必要なものを選んで調整します(テーラリング)。

PMBOK(知識の棚)
小さな社内改修
必要なものだけ軽く
大規模な基幹刷新
調達・リスクも厚く

6試験ではここを見分ける

  • プロセス群(5つ)=立上げ・計画・実行・監視コントロール・終結
  • 知識エリア=スコープ・コスト・リスクなど管理する分野
  • プロセス群は一度きりの段階ではなく、重なり・繰り返す
よくある取り違え

誤り:スコープ管理・コスト管理はプロセス群

正しくは:それらは知識エリア(管理する分野)

誤り:使うツールや顧客の要求文書もスコープ

正しくは:スコープは作る成果物とその作業

誤り:変更管理委員会はコスト増を理由に却下できない

正しくは:却下してよい。認可後にWBSを更新する

試験のポイント

ITパスポート試験での問われ方

PMBOKをどの案件にもそのまま適用する手順書ではなく、選んで活用する知識体系と理解する

間違えやすいポイント

  • PMBOKを固定の開発手順書だと思う
  • プロセス群を順番どおり一度だけ進むライフサイクル段階だと思う

関連用語

PMBOK、プロセス群、知識エリア、プロジェクトマネジメント、テーラリング

図解の内容を文章で読む

PMBOKの基本をイメージでつかむ

PMBOKは、プロジェクトマネジメントで役立つ知識や実務慣行を体系的に整理したガイドです。プロセス群は活動を管理上の目的でまとめた論理的なグループであり、時系列のライフサイクル段階ではありません。活動は重なり、必要に応じて繰り返され、監視コントロールは実行と並行して行われます。

たとえると:旅行の手順を一つに決める台本ではなく、目的地や人数に応じて使える計画・費用・連絡などの知恵を整理したガイドブックのようなものです。

PMBOKは、Project Management Body of Knowledgeの略で、プロジェクトを管理するときに役立つ考え方や実務慣行を体系化したガイドです。すべての案件に同じ作業や書式を強制する手順書ではなく、案件の規模や性質に合わせて必要な考え方を選び、調整して使います。基本の見方は二軸です。プロセス群は、活動を管理上の目的で整理した論理的なグループで、プロジェクトを正式に始める立上げ、進め方を定める計画、作業を進める実行、計画との差を見て調整する監視コントロール、成果を引き渡して閉じる終結があります。これらはライフサイクルを時系列に区切った段階ではありません。活動は重なり合い、状況に応じて繰り返されます。たとえば成果物を作る実行と並行して監視コントロールを行い、差異があれば計画を見直して再び実行します。もう一方の知識エリアは管理対象の分野で、統合、スコープ、スケジュール、コスト、品質、資源、コミュニケーション、リスク、調達、ステークホルダなどが代表例です。一つのプロセス群でも複数の知識エリアを扱います。

押さえどころ

  • PMBOK = プロジェクト管理の知識や実務慣行を体系化したガイド
  • プロセス群 = 管理上の目的で活動をまとめた、重なり・反復のある五つのグループ
  • 知識エリア = スコープ・スケジュール・コスト・品質・資源・リスクなどの管理分野

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