財務諸表(貸借対照表・損益計算書)とは?わかりやすく解説

ストラテジ系 ・ 会計・財務 ・ 読む目安8分 ・ 頻出

会社のお金の状態を表す2つの表、BSとPLの読み方の基本を学びます。

最初に考えてみよう

売上だけを見ても、利益が出ているのか、借金が多いのか、会社が安定しているのかは分かりません。どうすれば、会社の状態を数字で総合的に確認できるのでしょうか?

解説

財務諸表、とくにPLとBSは「何を見ればいいか分からない」という人が多い分野です。ざっくりいうと、PL=1年間の成績、BS=決算日時点のお金の集め方と使い道。1軒のカフェの同じ1年を、最後まで同じ数字で見ていきます。

1PLもBSも、決算書の中の1つ

会社は1年に1回、その年のお金の状況を決算書にまとめます。決算書にはいくつか種類がありますが、 いちばん大事なのがPLとBSの2つです。名前は難しそうですが、知ってしまえば意外とシンプルです。

ここからは駅前のカフェの1年目を例に、最後まで同じ数字で見ていきます。1年目を終えたオーナーが知りたいことは、次の2つです。

問い①

「いま、何を持っていて、そのお金はどこから来た?」

→ BS(貸借対照表)で分かります。決算日という1日の時点の状態

問い②

「この1年で、いくら稼いで、いくら残った?」

→ PL(損益計算書)で分かります。1年間の成績

見分け方はかんたん。問題文に「○月○日時点」とあれば BS、「○年間の」とあれば PL です。

2BS(貸借対照表)とは:お金の「集め方」と「使い道」の表

正直、BSは分かりにくいと感じる人が多い表です。でも、見るところは左と右の2つだけです。

  • ・右側:お金をどうやって集めたか(銀行から借りた/自分で出した)
  • ・左側:集めたお金を何に使っているか(現金のまま/お店の設備)

同じお金を「集め方」と「使い道」の両方から見ているので、左右の合計は必ず同じになります。

資産の部左:お金の使い道
流動資産 300現金220・コーヒー豆など80
固定資産 700店の内装・エスプレッソマシン
負債の部右:お金の集め方(いつか返す)
流動負債 150
固定負債 450銀行の5年ローン
純資産の部(返さなくてよい)純資産 400開業資金330+今期の利益70
資産合計 1,000負債・純資産合計 1,000
  • ・上の段=流動(1年以内にお金になる/払う)、下の段=固定(1年より先)。これを1年ルールといいます
  • ・負債はいつか返すお金、純資産は返さなくてよいお金(自分で出したお金と、これまでのもうけ)
  • ・簿記の言葉では左側を「借方」、右側を「貸方」といいますが、ITパスポートではまず覚えなくても大丈夫です
資産 1,000 = 負債 600 + 純資産 400

3PL(損益計算書)とは:1年間の成績表

1年間の売上・費用・利益をまとめた表です。黒字か赤字かは、PLを見ればすぐ分かります。

いちばん上に売上があり、そこから上から順に費用を引いていくだけです。途中に利益が5つ出てきて、名前が似ているので混乱しがちですが、 「何を引いたあとか」が違うだけです。

  1. 売上高1,000
  2. 売上原価(売れた分の豆・牛乳・ケーキの仕入れ)−400
    売上総利益600
    = 商品そのもので稼いだ(粗利)
  3. 販売費及び一般管理費(店員の給料・家賃・広告)−450
    営業利益150
    = 本業で稼いだ
  4. 営業外収益・費用(預金の利息・ローンの利息)+10 −20
    経常利益140
    = 本業+本業以外の、ふだんの利益
  5. 特別利益・特別損失(その年だけの臨時の損益:古い焙煎機が売れた/台風で看板が壊れた)+20 −60
    税引前当期純利益100
    = 臨時の損益までふくめた、税金の前
  6. 法人税等(税金)−30
    当期純利益70
    = 最後に会社に残る
売上 1,000 のうち、最後に残ったのは 70。売上がそのまま利益になるわけではありません。

4PLは1年ごと、BSはこれまでの積み重ね

PLは毎年ゼロから数え直しますが、BSには開業してからの経営の結果が積み重なっていきます。つなぎ目は純資産です。

4/1の純資産は開業資金の 330。1年で稼いだ当期純利益 70 がそこに加わって、3/31には 400 になりました。

4/1 の純資産
330
+
PLの当期純利益
70
=
3/31 の純資産
400
資産の部左:お金の使い道
流動資産 300
固定資産 700
負債の部右:お金の集め方(いつか返す)
流動負債 150
固定負債 450
純資産の部(返さなくてよい)今期の利益 +70純資産 400
資産合計 1,000負債・純資産合計 1,000

では、銀行から100借りたら「もうかった」ことになる?

なりません。借りたお金は、現金(左)と借入金(右)が同じだけ増えるだけです。

100借りる
資産 +100(現金)
負債 +100
純資産 ±0
PL 変化なし
1年で70稼ぐ
資産 +70
負債 ±0
純資産 +70
PL 当期純利益 70
資産が増えても、もうかったとは限りません。純資産が増えるのは、もうけたときです。

5BSとPLを見ると、会社の体質が分かる

BSを見ると、借金に頼りすぎていないか、支払いのお金は足りているかが分かります。PLと組み合わせると、どれだけ効率よく稼げているかも分かります。 難しそうな名前の指標も、ここまでの表から2つの数字を取り出して割るだけです。数字はすべて上のBS・PLと同じです。

  • 流動比率1年以内の支払い、手元で足りる?
    流動資産BS ÷ 流動負債BS
    300 ÷ 150 × 100 = 200%

    → 1円の支払いに2円の備え。100%を下回ると危ない

  • 自己資本比率借金に頼りすぎていない?
    純資産BS ÷ 総資産BS
    400 ÷ 1,000 × 100 = 40%

    → 資産の4割は返さなくてよいお金で買った

  • 売上高営業利益率本業は、売上のうち何割もうかる?
    営業利益PL ÷ 売上高PL
    150 ÷ 1,000 × 100 = 15%

    → 1,000円売ると本業で150円残る

  • 自己資本利益率(ROE)自分のお金で、どれだけ稼いだ?
    当期純利益PL ÷ 純資産BS
    70 ÷ 400 × 100 = 17.5%

    → 株主のお金400で、1年に70稼いだ

「安全か」はBSどうしで、「もうかるか」はPLの数字を使って割ります。

6確認問題:5段階で本試験レベルへ

  1. ① 使う数字を選ぶ
  2. →② 割る/引く
  3. →③ 段階をたどる
Lv.1 流動比率1 / 5
流動資産2,400、固定資産3,000、流動負債1,200、固定負債1,800のとき、流動比率は何%?

試験のポイント

ITパスポート試験での問われ方

BSとPLが何を表すかの区別、BSのつり合い、資産と利益の違い、PLの段階利益が問われる

間違えやすいポイント

  • BSとPLの役割を逆にする
  • 資産が増えれば必ずもうかったと考える
  • 売上総利益と営業利益を同じだと考える

関連用語

貸借対照表、損益計算書、資産、負債、純資産、売上総利益、営業利益、経常利益、特別利益、特別損失、当期純利益

図解の内容を文章で読む

財務諸表(貸借対照表・損益計算書)をイメージでつかむ

財務諸表は、会社が毎年つくる決算書の中の表です。いちばん大事なのはPLとBSの2つ。PL(損益計算書)は1年間の売上・費用・利益をまとめた成績表で、黒字か赤字かはPLを見れば分かります。BS(貸借対照表)は決算日時点の表で、右側に「お金をどう集めたか(負債・純資産)」、左側に「そのお金を何に使っているか(資産)」を書くので、「資産 = 負債+純資産」と左右がつり合います。

たとえると:ざっくりいうと、PLは『この1年でいくら稼いで、いくら残ったか』の成績表、BSは『お金をどこから集めて、何に使っているか』の一覧です。

財務諸表は、会社のお金の状況を外部に報告する決算書の中の表です。名前は難しそうですが、知ってしまえば意外とシンプルです。貸借対照表(BS)は「ある時点(決算日)」の表で、右側の負債と純資産はお金をどう集めたか(借りたお金/返さなくてよいお金)、左側の資産は集めたお金を何に使っているかを表します。同じお金を両側から見ているので、資産=負債+純資産が必ず成り立ちます。借入れによって現金という資産が増えることもあるため、資産が多いことと、もうかっていることは同じではありません。損益計算書(PL)は「一定期間(ふつうは1年間)」の成績表で、収益−費用=利益を計算します。利益は5段階で出てきますが、上から順に引いていくだけです。売上高から売上原価を引くと売上総利益、そこから販売費及び一般管理費を引くと営業利益、さらに営業外の収益・費用を加減すると経常利益になります。その年だけの臨時の損益(特別利益を足し、特別損失を引く)を加減すると税引前当期純利益、そこから税金を引いたものが当期純利益です。PLのもうけ(当期純利益)は、BSの純資産に積み重なっていきます。まずBSとPLの時点・期間の違いを見分け、その上でPLの段階利益を順番に追いましょう。

押さえどころ

  • BS(貸借対照表)=ある時点の資産・負債・純資産
  • BSは「資産 = 負債 + 純資産」でつり合う
  • PL(損益計算書)=一定期間の収益 − 費用 = 利益
  • PLは売上総利益・営業利益・経常利益・当期純利益を段階的に示す

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