新事業の進め方(デザイン思考・リーンスタートアップ)とは?わかりやすく解説

ストラテジ系 ・ 経営戦略 ・ 読む目安8分

利用者の目線で課題を見つけ、小さく作って試しながら新しい事業を育てる手法を学びます。

最初に考えてみよう

誰も見たことのない新しいサービスは、作る前に「売れるかどうか」が分かりません。時間とお金をかけて完成させてから失敗しないために、どう進めればよいのでしょうか?

解説

新しい事業は、作る前に「売れるか」が分かりません。だから小さく作って、確かめて、直すを繰り返します。駅前のお弁当屋さんが始める「お弁当の定期便」を例に見ていきます。

1デザイン思考 ― 利用者の目線から始める

「何を作れるか」ではなく、「使う人は何に困っているか」から始めるのが特徴です。

  1. 1. 共感昼休みの会社員を観察。「買いに行く時間がもったいない」と聞く
  2. 2. 問題定義本当の困りごとは「並ぶ時間」だと決める
  3. 3. アイデア職場に届ける・予約して受け取るだけ…など案を出す
  4. 4. 試作紙のチラシと予約フォームだけ作る
  5. 5. テスト10人に使ってもらい、感想を聞いて直す

↺ テストの結果をもとに、前のステップへ戻って繰り返す

2リーンスタートアップ ― 最小限で出して学ぶ

仮説を確かめるための必要最小限の製品(MVP:Minimum Viable Product)を作り、反応を測って学ぶ ― を短い周期で回します。

1. 構築

アプリは作らず、LINEで注文を受けるだけの定期便(MVP)を始める

2. 計測

2週間の申込み数・解約数を数える

3. 学習

昼より「夜の分も届けて」の声が多いと分かる

続ける
手応えがあれば改良を続ける
方向転換(ピボット)
夜の定期便に切り替える

アプリを半年かけて作ってから「誰も使わなかった」と分かるより、2週間で分かる方が損が小さい。これがリーン(ムダのない)の意味です。

3小さく確かめる・短く作る

PoC(Proof of Concept:概念実証)

新しい技術やアイデアを本格導入する前に、小規模に試して実現できるか・効果があるかを確かめる。

例:配達ルートをAIで決める仕組みを、まず1店舗・1か月だけ試して、配達時間が本当に短くなるかを測る

ハッカソン

「ハック」+「マラソン」。エンジニアやデザイナーが集まり、1〜2日程度で試作品を作り上げるイベント。

アイデアソン
アイデアまで
アイデアを出して整理する
ハッカソン
試作品まで
動く試作品を完成させる

4ビジネスモデルキャンバス ― 事業を1枚に

9つの枠を埋めると、「誰に・どんな価値を・どう届けて・どう稼ぐか」が1枚で見渡せます。

キーパートナー
配達の協力会社・農家
主要活動
調理・配達
価値提案
並ばずに、職場で手作り弁当
顧客との関係
LINEで好みを聞く
顧客セグメント
駅前の会社で働く人
主要リソース
厨房・調理人
チャネル
LINE・職場への配達
コスト構造
食材費・人件費・配達費
収益の流れ
月額の定期便料金

真ん中の価値提案を軸に、右側が「お客さん側」、左側が「作る側」、下が「お金」です。

5試験ではここを見分ける

  • デザイン思考=利用者への共感から始め、試作とテストを繰り返して課題を解く
  • リーンスタートアップ=MVP(必要最小限の製品)で 構築→計測→学習 を短く繰り返す
  • PoC=本格導入の前に実現できるか・効果があるかを小さく確かめる
  • ハッカソン=短期間で試作品まで作るイベント/ビジネスモデルキャンバス=9つの枠で事業を1枚に
よくある取り違え

誤り:リーンスタートアップ=時間をかけて完璧な製品を作る

正しくは:最小限の製品で早く市場に出し、反応から学んで直す

誤り:ハッカソンとアイデアソンは同じ

正しくは:アイデアソンはアイデア出しまで。ハッカソンは試作品を作り上げる

誤り:PoCは本番稼働後の効果測定

正しくは:PoCは本格導入の前に行う小規模な検証

試験のポイント

ITパスポート試験での問われ方

リーンスタートアップ・デザイン思考・ハッカソン・PoC・ビジネスモデルキャンバスを、説明文や事例から見分ける問題が出る

間違えやすいポイント

  • リーンスタートアップを、完成度の高い製品を時間をかけて作る手法だと思う
  • ハッカソンとアイデアソンを同じものだと思う
  • PoCを本番稼働後の効果測定だと思う

関連用語

デザイン思考、リーンスタートアップ、MVP、ピボット、PoC、ハッカソン、ビジネスモデルキャンバス

図解の内容を文章で読む

新事業の進め方(デザイン思考・リーンスタートアップ)をイメージでつかむ

デザイン思考は、利用者に共感して本当の課題を見つけ、試作とテストを繰り返して解決策を作る考え方です。リーンスタートアップは、必要最小限の製品(MVP)を作って顧客の反応を測り、学んだことで改良や方向転換を短期間に繰り返します。新しい技術が使えるかを小規模に確かめるPoC、短期間で試作品を作り上げるハッカソン、事業の仕組みを1枚に整理するビジネスモデルキャンバスもあわせて押さえます。

たとえると:文化祭の模擬店で、いきなり大量に仕入れず、まず試食を少し出して反応を見て、味や値段を直してから本格的に売り出すイメージです。

新しい事業は、最初から正解が分かっていることはほとんどありません。そこで「小さく作って確かめる」手法が使われます。デザイン思考は、利用者の行動を観察して共感することから始め、本当の課題を定義し、アイデアを出し、試作品を作って利用者にテストしてもらうことを繰り返します。リーンスタートアップは、仮説にもとづいて必要最小限の機能だけをもつ製品(MVP:Minimum Viable Product)を作り、顧客の反応を測定して学び、その結果で改良を続けるか、方向転換(ピボット)するかを短期間に判断する手法です。PoC(Proof of Concept:概念実証)は、新しい技術やアイデアを本格導入する前に、小規模に試して実現できるか・効果があるかを確かめる取組みです。ハッカソンは、エンジニアやデザイナーなどが集まり、1〜2日程度の短期間に集中してアイデアを出し合い、ソフトウェアなどの試作品を完成させるイベントです。ビジネスモデルキャンバスは、顧客セグメント、価値提案、チャネル、顧客との関係、収益の流れ、主要リソース、主要活動、キーパートナー、コスト構造の9つの要素で、事業の仕組みを1枚の図に整理する手法です。

押さえどころ

  • デザイン思考=利用者への共感から始め、試作とテストを繰り返す
  • リーンスタートアップ=MVPで構築→計測→学習を短く回す
  • PoC=本格導入の前に、実現できるか・効果があるかを小さく確かめる
  • ハッカソン=短期間に集中して試作品を作り上げるイベント
  • ビジネスモデルキャンバス=9つの要素で事業の仕組みを1枚に整理

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「新事業の進め方(デザイン思考・リーンスタートアップ)」の過去問(5問)

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